ホウ酸塩処理とは

ホウ酸塩は、1900万年ほど昔、砂漠の火山活動によって生まれたものです。
火山湖に地下から噴出した高濃度のホウ酸塩を含む熱水が流れ込み、水は乾燥した砂漠の熱で蒸発を続け、結果湖底には大量のホウ酸塩の結晶が沈殿し、やがて湖は砂に埋もれてしまいます。日本にはホウ酸塩の鉱脈はありませんが、毎年10万トン以上のホウ酸塩が温泉に溶けて湧出し、河川から海に流れ込んでいます。

動物も植物も健康な生活を続けるためには微量のホウ酸を摂取する必要があります。
成人は、一日あたり10～15㎎のホウ酸が必要です。植物も必須微量元素となり、特に野菜や果物の生育にはホウ酸塩は不可欠です。

ホウ酸塩は安全・安価で効果的な木材保存剤として世界的に普及しています。
無色無臭のため、木材の自然な外観が保たれます。不揮発性で科学的に安定した物質なので使用中に空気を汚染したり分解することもありません。

ホウ酸塩は極めて安全です。害虫や腐朽菌の駆除・予防に使用されるホウ酸塩のレベルでは、人間やペットに危険はありません。

木材保存の用途に適したホウ酸塩　八ホウ酸二ナトリウム・四水和物の名称になります。
製品名は「Tim-bor PCO」公益社団法人日本木材保存協会認定剤A-5431

防腐、防蟻対策に一般的に使用されている薬剤は合成殺虫剤が主流ですが、早期分解するため予防の効果は5年で消滅してしまい、5年毎に再処理をしなければ木部の耐久性を維持することは難しくなります。

最近では外来種のアメリカカンザイシロアリの被害が全国で急速に拡大しており、2階の軒やベランダなど全方向から侵入してくる危険なシロアリになります。対策は海外同様に全構造材を処理しないと防げません。